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国立国会図書館関西館見学会

梅雨真っただ中の7月2日(火)、国立国会図書館関西館の見学に行ってきました。
九州での豪雨の被害が伝えられる中、大雨を覚悟していましたが曇りの一日となりました。
会員外の方も含め12名の参加でした。

わたしの自宅からは2時間半余り。もっとかかった会員もいましたが、電車の移動は結構楽しいものです。

館内の写真撮影は許可されていないところが多く、あまり写真はありませんが雰囲気が伝わればと思います。

さて、バスを乗り継いで到着です。
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玄関を入ると、守衛さんがいらっしゃいます。
入館するには登録利用者カードか、一日のみ開架資料だけを利用できる当日利用者カードを発行してもらう必要があります。私たちは見学なので、登録はしないで守衛さんに職員さんを呼んでいただいて入館しました。

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(エントランスにあった模型です。全体像がよくわかります)

館内はシンプルかつモダン。こんな感じです。設計は陶器二三男さん。ガラスと緑をコンセプトに、北向きの柔らかな自然光を取り入れ、屋上緑化では元々あった雑木林と同じ種類の木々を使っているそうです。
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2002年10月に開館した関西館は地上4階、地下4階。所蔵能力600万冊がすでにほぼ満杯
今後、所蔵能力を2000万冊まで拡大する予定で、現在南側に書庫棟(500万冊)を建設中(2020年2月完成予定)ですが、これも15年程度で満杯になるとのことです。
所蔵能力は1冊の厚さを3センチとして計算されています。

国会図書館の名の通り、国会(立法府)に属する図書館で、900人弱の職員のうち180人は国会議員への直接サービスに従事しており、その他の職員は間接的に議員をサポートしています。
年間3万6千~4万件の議員からの依頼調査、300件の予測調査を行っており、その報告書は冊子の形になるそうです。

国立図書館としては、法定納本制度によって出版物を広く収集し、保存しています。(これはよく知っている内容ですね)
見学者から除籍基準を質問されることがよくあるそうですが、除籍することはなく永久保存しています。そりゃあ、すぐ満杯になるはずです。

関西館が建設されたのは所蔵能力を高めることが大きな理由ですが、その他にも当時すでに懸案となっていた電子図書館構想を実現するためでもありました。関西館には電子図書館課が設けられ、平成10年から貴重本を中心に電子化を進めています。
また関西館独自のものとしてはアジア情報室があります。

一般利用者へのサービスは、来館利用サービス、遠隔サービス、館館サービス、複写サービスなどがあります。
利用されたことがある方もいらっしゃるでしょう。わたしは複写サービスしか使ったことがありませんが…。

さあ、一通りの説明を受けた後、閲覧室、書庫へと向かいます。

書庫は本当に広くて、先が見えないほどです。126メートルあるとおっしゃっていました。
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多くの職員の方が働いていらっしゃいます。図書館って、見えないところの仕事が多いんですよね。

一部、自動書庫も運用されています。返却作業を見ることができました。
1923年9月以来の博士論文もすべてこの自動書庫に保存されているそうです。そうです。関東大震災以前のものは火災で焼失してしまったとのこと。火災は本当に取り返しがつきません。
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そこで、防火設備も整っています。水は使えないので、窒素を使用するそうです。館内は防火扉で細かくブロック分けし、避難を確認してから窒素を噴出させる仕組みです。

国会図書館関西館2

閲覧室は写真撮影が許可されないので残念ですが写真はありません。
この日は曇りだったので自然光では照度が足りないので、間接照明で光を足していました。天井を見ると光の幾何学模様が現れていて、気持ちが落ち着きます。

新聞や雑誌の多さに驚きます。それが硬軟取り混ぜてならんでいます
書店でよく見るファッション誌の横に、学会誌や業界誌が並んでいます。茶道を習っていたときに読んでいた「淡交」があって懐かしかったなあ。
開架書架には国会図書館独自の分類法で配架された数々の本たち。日本語と外国語の本が一緒にならんでいるのは、なかなか見たことのない光景です。ブラウジングの楽しさを堪能できそうです。自分の関心がどこにあるのか、開架書架をながめていて見つけることってよくあります。
「ひと晩ここで過ごしたい」という方がよくあるそうです。私もみんなと一緒の見学会でなかったら、何時間でも閲覧室で書架をながめていられそうでした。

はじめに説明を伺ったお部屋には昔の閉架図書館にあった分類カードを収納する棚が置いてありました。
写真を撮っても、触れてもいいということで、大喜びで写真を撮りました。
大学の図書館が完全閉架図書館だったので、こんな棚で分類カードをさがしたものです。司書さんなしではとても目的の本は見つけられませんでした。

国会図書館関西館3

国会図書館関西館1


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帰りには踏切のトラブルで乗っている電車が30分も止まってしまうというアクシデントがありましたが、無事神戸に帰りつくことができました。
長時間ご案内いただき、ありがとうございました。
守衛さんにもいろいろお話を伺い楽しかったです。



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瀬戸内市民図書館見学会

台風が近づく中、この日だけはしっかり晴れてくれた9月28日(金)、瀬戸内市民図書館へ行ってきました。7名の参加でした。
瀬戸内市民図書館 もみわ広場HP

図書館ネットのメンバーが開館前から是非見学したいと思っていた図書館です。10月には嶋田学館長に講師をお願いしているので、事前勉強会でもあります。

講演会についてはこちら↓をどうぞ。
嶋田学氏講演会「住民参加の図書館づくり」ご案内
  
   「住民参加の図書館づくり」
   講師:嶋田学氏(瀬戸内市民図書館長)
   日時:平成30年10月20日(土)
       14:00~16:00
   場所:神戸市立中央図書館2号館4階

…講演会のご案内はここまでにして…

さあ、瀬戸内市民図書館に着きました。
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嶋田館長から詳しい説明を受けた後、図書館内をご案内いただきました。
「もみわ広場」の「もみわ」とは「もちより、みつけ、わけあう」という意味で着けられた愛称で、777通もの応募の中から選ばれたもの。耳慣れない愛称をつけたことで、基本理念を説明するよい機会になっているとのことでした。

瀬戸内市民図書館は2016年6月に開館しました。
2010年10月に新図書館整備検討プロジェクトチームの発足しますが、それ以前からの学校司書配置運動との関連についてや市民(住民)参加での図書館づくりについても、時間を割いてご説明いただきました。このあたりのことは講演会でもお話しいただけるものと思います。
神戸でも続々と新図書館の整備が計画されています。住民が図書館計画の最初から参加するとはどういうことなのか、講演会に来てくださった方々と共有できるのが楽しみです。

選書について尋ねてみました。出版ニュースや教育新聞の書評、TRCのリストなどを参考に候補リストを作成し、職員全員が丸印をつけて、2票で毎週木曜日の選書会議にかけるとのこと。会議には臨時職員も参加されるそうです。できるだけ現物を手にとるようにしているとおっしゃっていました。

図書館協議会は年4回の開催。利用者の代表も参加して「サービス計画2018」で絞り込んだサービスを審議中とのことです。

レファレンスは読書案内程度がほとんどで、月に数件あるだけとのこと。これから住民の皆さんに図書館が浸透していくにつれ、レファレンスも増えていくことでしょう。毎月全戸配布されている「もみわレター」も一役買いそうです。



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もみわ広場のパンフレットと利用案内
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図書館グッズの数々
この印象的な素敵なイラストはイオクサツキさんの作品、ロゴデザインは黒田武志さんです。
トータルにデザインすることが、親しみやすさにつながっていることを実感します。


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移動図書館せとうちまーる号
市内の全幼稚園、保育園の他15カ所の高齢者施設を巡回しています。
園児が家庭に読書の達成感を伝えることで読書の輪が広がっています。また園児のうちに図書館を経験することで、学校図書館の使い方も変わってきたそうです。一般利用者向けの移動図書館ポイントはありませんが、市内に3館ある図書館(もみわ広場、牛窓図書館、長船図書館)で、地域的にも利用者数的にもサービスは届けることができているそうです。


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せとうち発見の道
瀬戸内市の歴史や文化、現在の姿を残し、市内外の人に伝えるのも図書館に期待される働きです。

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2階の一角では「ハンセン病問題と瀬戸内市」の企画展が。開館当初から正規職員として学芸員がいらっしゃり、年4回の企画展示を行っているとのことでした。(学芸員さんは司書の資格も持っていらっしゃいます)


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写真ではよくわからないかもしれませんが…「介護」の書架ですが、関連情報のチラシが本と並べて置いてあります。

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「野菜作りの本は2階の46番の棚にもあります」…本を探すのに慣れていない利用者にはこんなひと言が親切です。

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児童コーナーにはこんなコーナーも。子どもたちはこういうスペースが大好きですよね!


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書架の通路側にはテーマ別の小さな展示があったり、郷土の作家の作品が飾ってあったり。心豊かになれる気がします。

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2階から階下を見ると、ゆったりした空間が広がっています。
ゆっくりと本の世界にひたることができそうですね。

最後に瀬戸内市立図書館友の会 もみわフレンズのことを。
会員は100人ほどいらっしゃるそうです。運営委員12人で様々な活動をされています。当事者意識の高さが協働につながっているというお話でした。機会があったらフレンズの皆さんのお話も聞いてみたいと思いました。

やっぱり図書館はいいなあと思った秋の一日でした。



あかし市民図書館見学会

10月13日(金)はあかし市民図書館見学会でした。
明石市立図書館HP
正式には明石市立図書館、条例で名称を「あかし市民図書館」と規定しているようです。

神戸市のお隣、明石市の図書館は私たちにもなじみの図書館です。新しく明石駅前に開館して以来多くの利用者が訪れ、貸出人数は以前の2.5倍なのだそうです。

参加者は11名。図書館ネット以外にこうべ子ども文庫連絡会からの参加もありました。
ご案内いただいたのは指定管理者であるTRC(図書館流通センター)の館長さんと職員の方。
(先日の講演会の講師、埜納タオさんの「夜明けの図書館」。その1巻第3話のブロッケン現象のエピソードはこの職員の方の体験を基にしているそうです。)職員は50名。常時30名が勤務されているそうです。(全員1年の契約社員)

館内を見学した後、別室で丁寧なご説明をいただきました。お忙しい中、本当にありがとうございました


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かわいいデザインのパンフレットをいただきました。あかしの「あ」と「暮らしにプラスα」というコンセプトをシンボライズしたロゴが目を引きます。デザイナーは神戸市在住の方とのこと。
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本のまち明石を掲げ、同じビルに書店も入っている新図書館。
玄関を入ったところは交流エリアです。児童書コーナーと一般書コーナーをゾーン分けする役割も担っています。
この空間のおかげで思いのほか音が遮断されているとか。静かさを保ちながら市民の交流の場として機能できているようです。

北側にはお城に向かって大きな窓があり、カフェエリアになっています。
ラウンジ・サービスタワーでドリンクサービスも受けられます。
こちらは透明な壁で区切ってセミナー室にもなり、さまざまなイベントが行われます。
完全な個室にもなりますが、壁を半分開けてわざと音を洩らしてイベントに立ち寄ってもらえる工夫をしているそうです。
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児童書コーナーも北側(お城跡)に向かって大きく視界が広がっています。
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児童書の書架は絵本は3段、読み物は4段です。子どもの目線の高さであり、おい母さんが安心して見わたせる高さです。設計段階ではもっと高いものが予定されていましたが、TRCさんがこの高さへの変更をお願いされたそうです。
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絵本の面出し配架も。
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こちらはおはなしのへや
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おはなしのへやの中はこんな感じ。
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おはなしのへやの横には絵本がたくさん並べられた小部屋が・・・。
児童文学者である松岡享子さんのアドバイスで作られた小部屋です。
(松岡さんはあかし市民図書館のアドバイザーだそうです)
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絨毯コーナーもあります。
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いったん中央エリアに戻って、一般書コーナーへ。
カフェコーナーの向かい側が中央カウンターです。
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自動貸出機。
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読書手帳のサービスもやっています。
ちょうど小学生の男の子が読書手帳にあるシールを印刷していました。
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直線75メートルの中央通路。両側に書架が配置されています。
常時30万冊は開架し、後は上階の書庫の集密書架にあります。書籍専用のエレベーターなどはなく、職員が直接書庫に行って持ってくるのだとか。それは大変!と見学者から声が上がりました。
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おしゃれな書架を使ったノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロの展示。
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こちらはふるさと資料コーナーの一部。
郷土資料は未整理のものが多く(特に私家版)、現在担当者を決めて整理中。県内企業の社史はほぼ整理が終わってこのコーナーにあるそうです。
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こちらは電子閲覧室。手前は拡大読書器とサピエ図書館を閲覧できるPCです。
サピエ(視覚障害者情報総合ネットワーク)
あかし市民図書館としてIDを持っていて、ユニバーサル・サービスの登録者が閲覧できます。
デイジー書籍も扱っているそうです。
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旧館にはほぼなかった大活字本や点字書籍もこんなに並んでいます。
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こちらも大活字本です。新しい本がたくさん。
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市の方針としても障がい者サービスに力を入れているそうです。本へのアクセスが困難なのは視覚障碍者に限りません。サービスを実施していても、当事者に情報が伝わらないことがよくあることをお伝えしたところ、福祉課と連携してサービスを必要としている方々に情報が届くよう努力するとおっしゃっていただきました。


他にもたくさんの質問にお答えいただきました。
・図書館を管轄しているのは?
 教育委員会の中にある図書館部門と市長政策室が図書館を管轄しています。選書はTRCさんに一任されており、月に一度教育委員会に選書リストを提出するそうです。新図書館開館に伴って購入した一億円分の書籍は双方で相談の上決定されたとのこと。

・ボランティアは?
 既存のおはなしボランティアと開館に合わせた募集で集まった方が約30名。こんなことができるよ、やってみたいという自発的な提案も多いそうです。男性の「読みメン隊」という読み聞かせの方々もいらっしゃるそうです。

・館外返却ポストは?
 市内12カ所。今年度中に13カ所になります。公的施設や書店に設置しています。

・大人向けイベントは?
 大人の趣味活として、ビジネスセミナーなど定期的な講座を開いています。
 慶応大学のビジネスサテライトの講座をライブ中継したり(産業振興財団、商工会議所との共催)、関西学院大学のゼミと協力してビブリオバトルを開催したりしています。

・リクエストは?
 明石市民に限るという40年来のルールを踏襲しました。リクエストを押さえることでより多くの方に利用してもらえると考えているとのことです。

・困っていることは?
 書庫に本を取りに行く際に利用者をお待たせしてしまうこと。
 エスカレーターとエレベーターが近いうえに通路が狭いこと。混雑を緩和するため、閲覧室利用者は先着順ではなく抽選に。
 移動図書館の基地を旧館に残していること。新図書館に移動図書館を横付けできないので職員が運搬しているそうです。



館長さんは以前は神戸市立西図書館の館長さんだったこともあり、私たちの何人かとは顔見知りです。笑顔が素敵な館長さんの下、図書館の基本的な機能を強化しながら、まちづくりの中心となるべく図書館を運営されています。
市民参加型の図書館としてますます発展されることでしょう。

皆さんもお隣の図書館を訪ねてみませんか?





奈良県立図書情報館見学会

秋晴れの暖かい一日となった11月22日(火)、奈良県立図書情報館見学会を実施しました。

実は奈良県立図書情報館の見学会は2度計画していながら様々な事情で実現せず、今回やっと行くことができました。

お昼前に近鉄奈良駅に到着し、見学の予定時間までならまちを散策。
古い町並みが奈良の歴史を感じさせます。お寺や神社をめぐるのも奈良観光の魅力ですが、何気ない路地に奈良の歴史が息づいているのを感じるのもいいものです。

さて、移動の時間が来ました。
近鉄奈良駅に戻り、タクシーに分乗。桜が落葉して土手が錦と彩られた佐保川のほとりを通ります。佐保姫と言えば春の女神、佐保川の桜が織りなす春霞は佐保姫が織り出すものと言われています。春の桜の美しさはいかばかりかと想像しますが、落葉の美しさもまた言い表すのが難しいほどでした。(写真を撮り忘れて残念です)

奈良県立図書情報館の東側、正面玄関に到着。先ほどまで見ていた奈良の町並みとは打って変わって近代的な建物です。
建物の大きさもさることながら、敷地の広さに驚きます。

奈良県立図書情報館正面

建物の南側には公園のような芝生の広場があり、これがまた広い!
その南側から撮った写真です。

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2階と3階が利用者提供スペースです。2階には明るく開放的なエントランスが広がっています。
担当者の方のご案内で1階のお部屋へ。2時間余りの見学会の始まりです。教育委員会所管ではない図書館を見学するのは初めてです。バックヤードを中心とした施設見学と説明のあと、私たちからの質問に答えていただき、情報交換もすることができました。(ご報告する順番は多少入れ替わっているところがあります)
丁寧にご案内くださった職員の方に心からお礼申し上げます。ありがとうございました。


さて、図書館紹介ビデオを見たあと、自動書庫へ。
人の手を全く介さない未来的な情景です。無人の書庫内をコンテナがすごいスピードで移動しています。驚いて写真を撮る手がブレてしまいました!
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こちらの図書館は開架25万冊、書庫100万冊の収蔵能力があります。現在の全所蔵数が約70万冊とのことなので、まだまだ余裕があります。


図書館内に数カ所ある↓のようなポイントに目的の本が入ったコンテナが運ばれてきます。返却する場合は本の大きさによってセンサーで空いているコンテナが認識され、このポイントにやって来ます。
全てバーコードで管理されています。
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こちらは県内市町村立図書館に貸出しされる本です。この日はすでに発送した後でしたが、発送前ならこの部屋が一杯になっているそうです。
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公文書館としての機能も兼ねているとのことで、↓は公文書の集密書架です。知事部局や行政委員会等の行政文書が移管され、明治期以来のものが保管されています。
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県内の図書館がまだない地域の学校や公民館への貸し出しをしています。↓は発送を待っているコンテナです。
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図書館として直接の児童サービスはしていませんが、授乳室の奥のスペースにボランティアが運営するこども図書室があります。寄贈本で構成され、ボランティアによるおはなし会などもしているそうです。
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3階の一角には戦争体験文庫があります。全国から寄贈を受けた資料約5万点のうち約4万点が公開されています。独自の分類で整理され利用に供されています。また定期的にテーマを決めて企画展示も行われています。
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古文書は温度湿度を管理している部屋に保管されています。奈良県の名産「杉」でできた棚です。他の機能重視のお部屋と違い、杉のいい香りに包まれています。古文書の整理は「古文書ボランティア養成講座」を受講した方たちが担っています。養成講座は5年間もあるとのこと。整理はまだまだ始まったばかりとのことでした。同じく図書館で養成している「本の修理ボランティア」と連携して作業されているそうです。
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県庁所在地では県立図書館と市立図書館の住み分けが課題になることが多いようですが、奈良県では県立図書館は資料の収集と保存を中心にしており、評価が定まった本を原則1冊購入しているとのことです。調査研究型の図書館だということは、その講演会や講座の多さからもわかります。

奈良県ということで歴史学科のある大学や高校の学生や生徒の利用も多く、インターシップを行ってもいるそうです。

県庁の各部署が団体貸出しカードを持っていて、議会図書館と連携してサービスを行っているそうで、職員の利用も多いそうです。図書館の行政へのサービスはなかなか進まない面もありますが、団体貸出しには「なるほど!」と感じました。


これだけ充実したサービスを行っている奈良県立図書情報館でさえ予算が減っているそうです。とくに司書の採用が20年以上なかったと聞いたときには本当に驚いてしまいました。48人の職員のうち20人が日々雇用だ、といただいた要覧に載っていました。どこも厳しい状況に変わりはないようです。


現役を引退したら図書館の近くに移り住みたいと考えている私。奈良市も候補のひとつになりました。

伊丹市立図書館 ことば蔵 見学会

10月30日、会員8名で訪ねました。
多くの職員の方々が長時間、丁寧に説明と案内をしてくださいました。本当にありがとうございました。

「誰もが気軽に訪れて交流することができる『公園のような図書館』」を基本コンセプトに、2年前に移転改築した図書館です。

ことば蔵玄関

もともとは剣菱の蔵跡だったという「ことば蔵」。周りの街並みにも江戸時代の雰囲気がそこはかとなく漂っています。

この本館のほかに東西南北4館の分館分室があるとのこと(内2館は地元NPO による指定管理)。人口約20万人にこの施設の多さです。市内各所から自転車や徒歩で図書館に行けるのは羨ましい。

「ことば文化都市」を標榜し、「本の森構想」のもと、この図書館はできました。図書館機能の強化はもとより、人と人とが語り合い。ふれあい、学ぶことができる交流機能と、歴史・文化を発信、体感する機能を併せ持っています。
私たちが考える図書館の枠を飛び越えた、新しい形の市民交流センターです。

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入ってすぐに驚くのは、その広さです。余分なものがなく、様々な用途に利用できる交流フロアが1階を占めています。
ここでは、様々なイベントが開催されます。
会議室や多目的室の多さ、広さにも圧倒されます。まさに、交流センターですね。1階にはそれらとは別にこじんまりした「ぎょうじのへや」もあります。おはなし会や紙芝居の会はここで行われます。

図書エリアは2階、3階です。ゆったりした書架配置。面出しを多用したレイアウト。特に絵本は表紙を見せてあることで、きっと子どもたちが手に取りたくなることでしょう。この日はボランティアの方が二人いらっしゃいました。おはなし会ボランティアではなく、子どもたちが読んでほしい本を読んでくれるのだそうです。見守りの役割もしていらっしゃるようでした。

自動貸出機
自動貸出機です。一度に10冊まで読み込めます。

児童返本機
こちらは自動返本機の裏側。ぽんぽんと落ちてくる本は、職員の方がすかさず回収し、再度確認をされるそうです。
落ちてくるときに、本が開いてしまうこともありますが、素早く回収されるので痛みは少ないようです。

ヤングアダルトコーナー
ヤングアダルトコーナーは市内4校の高校生たちが選書、配架、レイアウトなど丸ごと企画しています。
高校の読書指導員の先生も一緒に参加されているそうです。

学校との連携も以前から積極的です。各学校の図書担当職員との連絡会が毎月1回行われています。それとは別に読書指導員会議も毎月1回開催されます。こちらは当初有志による時間外の活動でしたが、現在は勤務時間内に行われ毎回ほぼ全員が参加されるとのこと。
子どもたちに本を届けることは公立図書館では限界があるため、学校への団体貸出しを通じて本を届けるのだとおっしゃっていました。

図書修理ボランティアを図書館で養成し、簡単な本の修理はその方たちが担っているそうです。しっかりとした知識と技術を身に着け、その技術を使ってボランティアをする…素敵なボランティアの姿です。現在は初級講座を修了した方たちですが。今後さらに技術を磨く講座を開くことも考えているとのことでした。

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ことば蔵の企画を練る「運営会議」決まった委員はなく、誰でも参加してアイデアを出すことができます。
自分のアイデアが多くの人と練り上げられ実現していきます。

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毎月のイベント案内。毎月平均10件の催事があるそうです。この中に運営会議企画もたくさんあります。

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昭和初期に伊丹に私立図書館を作った小林丈吉氏が発行していた「伊丹公論」。今回の復刊では市民が編集をしています。


そして、私たちを魅了した「ブックカルタ」。これも市民のアンケートを基に作ったのだそうです。みんなのおすすめ本がこんな形になると「読んでみたい!」と思いますよね。

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絵札です。対象年齢やジャンルもさまざま…というところがいいですね。

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上部が読み札です。絵札の裏には作者や出版社、ページ数も。


ことば蔵ができる前、旧図書館の時からの地道な活動があればこその現在だと思います。が、現場の努力だけではここまではできないのではないかとも思います。やはり、伊丹市全体で、文化・歴史・教育を中心に市の活性化を進めようとした結果なのではないでしょうか。

運営会議は毎回盛況だそうです。交流フロアはいつも市民が集っています。そんな中、図書館協議会の市民公募は定員2名に対して1名の応募しかなかったり、傍聴する人がいなかったり…。ちょっと残念。
ことば蔵の中心にある図書館の在り方は、今後のことば蔵の発展にとっても重要な課題だと思います。
これほど「参加する」ことに喜びを見出している伊丹の方です。、きっと図書館そのものの運営にも深くかかわっていかれることと期待しています。

ああ、それにしても、伊丹市の人口は神戸市垂水区より2万人も少ないんですよ。それであの図書館。あの分館の数。そしてことば蔵にかかわっている市民の多さ。私たち、もっと何かできるはずなんだよな。なんか切なくなってきた。


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