福本友美子氏講演会「子どもに伝える読書の楽しみ」

「としょかんらいおん」や「ないしょのおともだち」、新しい「おさるのジョージ」シリーズの翻訳をされている福本友美子さんの講演会に行ってきました。

11月10日(月)10:00~12:00
神戸市青少年会館にて

こうべ子ども文庫連絡会の主催です。
~翻訳の仕事を通して~と副題がついています。受付で渡された著作リスト。A3両面にびっしりと本のタイトルが並んでいます。

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会場に展示されていたご著作の一部です。


福本さんは図書館司書として勤務された後、結婚出産のため家庭に入られたそうです。当時は出産後に働くための制度が確立しておらず、やむなくの退職で「心は図書館員のまま」だったとのこと。
子どもに本を手渡す人に役立つ仕事をしたいとの思いから、翻訳を始められたそうです。

出版社からの依頼を受けるだけでなく、福本さん自身がまだ日本に紹介されていない本を見つけて翻訳されることも多いそうです。出版社と交渉してOKが出ても、必ず出版までたどり着くとは限らない中で、「どうしても日本の子どもたちに届けたい」という思いが伝わってきます。

翻訳する際に「I」をどう訳すかが翻訳者の苦心のしどころなんだとか。以前アーサー・ビナードさんの講演でも同じお話がありました。英語では一人称は「I」のみ。でも日本語では多くの一人称があり、土の一人称を選ぶかですっかり雰囲気が変わります。原文をどう読むか…福本さんは「絵を読む」とおっしゃっていました。絵本は「絵」が語り掛けてくれるのだそうです。

大人は(字を読めるようになった子どもたちも)すぐに「文字」を読んでしまいますが、絵本は絵を読むものなんですね。誰かに読んでもらう、そのことの大切さがよくわかります。

絵本を卒業した後に子どもたちが読む本も大切です。アメリカには「チャプターブック」というものがあるのだそうです。大人の本と同じ版型で章わけがある本のこと。日本語にはいい訳語がないのですが、福本さんは「もくじのある本」と呼んでいらっしゃいます。
絵本の読み聞かせは当たり前になってきましたが、字を読めるようになると次の本がない。福本さんはこの段階の本が子どもたちが一生本のある人生を送るために重要だとおっしゃいます。本当にそうだと思います。子どもに本を手渡す私たち大人が、しっかりとこの段階をつなぐ努力をしなければなりません。

物語絵本のほかに、実話に基づいた絵本や伝記絵本もたくさん翻訳されています。私も福本さん翻訳のこれらのの本を何冊か読んでいますが、実話の持つ力を感じます。絵本の形なら子どもたちもその力を受け止めてくれることでしょう。

司書の心で書かれた本
もたくさんあります。「図書館のトリセツ」では図書館の使い方が丁寧に説明されていて、レファレンスの入門書にもなっています。子どもたちだけでなく図書館初心者の大人にも読んでほしい本です。

このブックガイドもその一つです。「キラキラ読書クラブ」編となっていますが、これは福本さんを含む公共図書館や学校図書館で子どもたちに本を手渡してきた4人の仲間が作られた本です。索引に工夫を凝らし、読みたい本をすぐ見つけられるようになっています。ブックトークの手助けもしてくれます。

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最後は福本さんがニューヨークに出かけられて、作家や編集者と交流されている写真をたくさん見せていただきました。
ありがとうございました。



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