未来の図書館ために今、できること

大阪府子ども文庫連絡会(大子連)主催の公開講座に行ってきました。

やっぱり図書館が大事Part24
「未来の図書館のために今、できること」
(2月9日10:00~15:00 大阪市立中央図書館にて)

午前は講演会、午後は交流会というプログラムです。

講師は猪谷千香さん。ハフィントンポスト日本版記者にして「つながる図書館」(ちくま新書)の著者です。
猪谷さんの講演は、14年12月の近畿公共図書館協議会の研究集会でも聴講しました。そのときの報告はこちら。

近畿公共図書館協議会研究集会その1

まず、2000年代に起きた図書館の変化について説明。そして話は従来のイメージを破る新しい図書館
いくつもの図書館の取り組み事例を解説してくださいました。
以前の講演では紹介されなかったものもあります。

武蔵野プレイス(東京都)、伊那市立図書館(長野県)、江戸川区立篠崎子ども図書館、鳥取県立図書館、海士町の島まるごと図書館構想(島根県)、紫波町図書館(岩手県)、富山市立図書館、舟橋村立図書館(富山県)、伊万里市民図書館(佐賀県)。
実際に取材したからこその丁寧な紹介です。

自治体の規模も図書館の規模もそれぞれ違い、その特徴もさまざまです。共通点は横連携。担当部局を超えて、住民とともに作りあげている図書館のお話を聞いていると、本当にその町に住みたくなってきます。

昨年ツィートが話題になった鎌倉市立図書館の話では、現在図書館に求められているのはサードプレイスであるとの解説がありました。サードプレイスは最近ボランティア活動の話題の中でもよく出てきます。多くの人が求めているのは「街づくり」「地域コミュニティ」だということなのでしょう。図書館はその中心になれるということです。

そして今、社会的関心は東京一極集中と少子高齢化に伴う地方の疲弊にあります。図書館は地域活性化のための集客施設としての役割も期待されるようになりました。
TSUTAYA図書館が紛糾する選書問題で、教育長や教育委員会が選書に携わるという新たな問題を起こしていることを指摘されました。

その一方で困窮する自治体財政の中、神奈川県立図書館問題のように存立の危機にある図書館も数多く出てきています。

日本の貧困化や逼迫する書店の問題にも話は及びました。書店がない町が次々に生まれている現在、知識を得る手立てを守るために地域の書店と図書館の連携も必要です。家庭の経済状況に左右されない学習を保障するのも図書館の役割です。

図書館からの情報発信については、それが図書館の味方を増やすことになるという指摘になるほどと思いました。
いつもいつも課題となっている非利用者への情報の届け方ですが、より広範囲に届けるためには「BUZZ」(ハチなどがブンブンいうこと。 口コミを意味するマーケティング用語)が必要とのことでした。

最後に図書館の役割を再考するとして挙げられたのは次の点でした。
・孤立せずに外部と「つながる図書館」
・サードプレイスとしての図書館
・激変する情報環境に適応する図書館
・ソーシャルメディアで味方を増やす図書館
・地域の人たちと協働、活動を広げる図書館
・出版社、書店、作家と連携する図書館
・「知の拠点」であり、「知のセイフティネット」


多くの問題を抱えながらもその役割を果たそうとする図書館と、図書館を支える市民。
私たちが今できることを示唆していただいた講演でした。


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