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埜納タオ氏講演会「図書館との出会い」ご報告

埜納タオさんの講演会を無事終えることができました。
お忙しい中、私たちの依頼を受けてくださった先生にお礼を申し上げます。
滋賀や京都、和歌山から来てくださった方もありました。ありがとうございました。

日時:2017年9月30日(土)14:00~16:00
会場:兵庫県立生活創造センター
参加人数:44名


埜納さんは「夜明けの図書館」の主人公葵ひなこを落ち着いた感じにしたような、清楚で爽やかな方です。
柔らかな素敵の声で、丁寧に4つのポイントに分けてお話しくださいました。


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1.漫画「夜明けの図書館」について
そもそも、レファレンスサービスをテーマにすることは編集担当者のアイデアだったそうです。それまではごく普通の利用者だった埜納さんは、図書館の取材を始められました。そこで〝司書は言葉にできないあいまいなものをすくいあげて回答を導き出すリサーチの専門家〟であり、〝レファレンスサービスとは利用者個人の思いに触れるサービス〟なのだと気づかれました。
図書館の機能、司書の仕事を漫画にして読者に伝えるため、登場人物のキャラクターや立場も綿密に作りこまれていった様子も、詳しくお話しくださいました。

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2.漫画の制作、協力
「夜明けの図書館」に出てくるエピソードは実話なのかと、皆さん気になりますよね? 取材で聞いたことは確かに実話なのだけれど、それはあくまでもヒントにして、埜納さんの思いも込めたフィクションなのだそうです。

国立国会図書館のカレントアウェアネスにインタヴューが掲載されたことときに協力者を募ったところ、二人の方が名乗り出てくださり、リアリティとクオリティを支えてくださっているそうです。フィクションであっても本当にあったことのように臨場感があるのは、埜納さんの細やかな取材と想像力と創造力、そして専門家の協力があってのことなのですね。

CIMG4054.jpg

3.さまざまな図書館をめぐって
多くの図書館を訪れていらっしゃる埜納さんは、ロビーに掲示されているイベントのお知らせを見て、その地域の暮らしや住んでいる人たちを想像されるそうです。図書館それぞれに特徴があり、それはその地域の特性を映し出しているということなのでしょう。

紹介してくださったのは次の4館です。
土庄町立図書館
 YAコーナーにノートがあり、子どもたちの書き込みひとつひとつに図書館員さんのお返事があり、親身になってくれる大人の存在を感じる。

恩納村情報文化センター
 琉球音楽が心地よく流れ、カウンターの方の笑顔が気持ちいい。

伊丹市立図書館ことば蔵
 読書犬のイベントは市民の提案。聴覚診断士の相談の受付も。
 市民と連携し、市民の提案を実現する体制が組まれている。

小野市立図書館
 (ヤングアダルト(YA)コーナーをYYコーナーと呼んでいる。中高生からなる図書館文芸部が中心となって運営。
 YA世代だけではなく、多年齢層の読者が楽しんでいる。


4.理想の図書館をめざして
11月に出版予定の「夜明けの図書館」第5巻についてお話しくださいました。
埜納さん初めての長編もあるそうです。図書館が多様性を認める場であること図書館には長く続けられる職場環境が必要であることを伝えたいとおっしゃっていました。第5巻を読むのが楽しみです。

CIMG4058.jpg


難しいテーマを取り上げて、投げ出したくなることもあるのだとか。それでも、物語の力を借りて「夜明けの図書館」が理想の図書館像でありたい、との思いで創作を続けていらっしゃるとのことです。


あらかじめ質問を知らせてくださいとのことだったのですが、講演の中で私たちがお届しておいた質問にすべてお答えくださいました。本当にありがとうございました。
そうそう講演前にご挨拶をしたら、5年半も前にお会いしたことを覚えていてくださいました。ほんの少しお話しただけなのに。
このような誠実なお人柄が作品にも、登場人物にも表れていて、多くの読者をひきつけているのですね。これからも素敵な作品を楽しみにしています。





参加者感想(一部抜粋)
たくさんの熱い感想をいただきました。あまりに多すぎてすべて書ききれませんが、埜納さんにはすべてお渡ししています。

・「夜明けの図書館」を読んで、初めてレファレンスを知りました。

・ご紹介いただいた図書館、すべて行ってみたいと思いました。

・先生の図書館員や図書館への愛が伝わってきてますます続巻が楽しみです。

・講義やレポートで文献がいるけどどう探したらいいのかわからず、結局見つからなかったことが多々ありました。自分にとってレファレンスサービスが求めていたものでした。

・田舎では本や図書館といった資源が乏しいです。都会と変わらない質のサービスや資源があったらいいなと思います。利用者、市民の側からの投げかけも大事なんだなと思いました。

・大学図書館ではどうしても研究・教育というテーマが前に出て、蔵書、サービスもそれに偏ったものになってきます。公共図書館のレファレンスのようにその人自身にスポットを当てながら行うサービスが大学図書館でもおこなっていけたらと思います。(特になんで勉強しているのかや就職で悩んでいる人に向けて)

・レファレンスは利用者の強い味方です。一人では思いもつかない分野、方面から「解決」へと導いていただけるのはありがたいことです。

・公共図書館のシリーズが終わりましたら、学校図書館の司書の漫画も描いてもらえるとうれしいです。

・おもてに出ることは少ないのですが、とても重要な市民サービスを提供する場、そして人をこれからも描き続けてください。

・公共図書館で嘱託職員として勤務していますので、4巻の小桜さんの気持ちがよくわかりました。
・丁寧な取材に基づいた作品づくりがなされていることに感動しました。

・「司書は本の探偵!」いい言葉です。

・「夜明けの図書館」のことは当館のレファレンス協働データベースを取り上げてくださっていることをきっかけに知りました。公共図書館に勤めている母にもオススメしております。
・夜明けの図書館の始まりからこれからまで、さらに先生ご自身の図書館への想いまでうかがえて一図書館員としてとても嬉しく思いました。

・ひなこの熱い思いにパワーをもらい「いろいろあるけどまたがんばるか!」と元気をもらっています。

・「夜明けの図書館」の中の「本と人をつなげる仕事」「どんなレファレンスもどんな内容であれ真摯に受け止めて一緒に学ぶ姿勢が大切」という言葉が好きで、この言葉を書いたメモをいつも持ち歩いています。



追記
 10/11  誤入力、変換ミスがありましたのでその部分のみ訂正しました。


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