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嶋田学氏講演会「住民参加の図書館づくり」ご報告

10月20日、瀬戸内市民図書(もみわ広場)館長の嶋田学さんをお招きして講演会を開催しました。
東京での全国図書館大会に参加された足で神戸に来ていただきました。お忙しい中を誠にありがとうございました。
また、当日は中央図書館の皆さまは会場設営をしていただき、講演会にも参加してくださいました。大変お世話になりました。

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神戸での学生時代の思い出を交えながらこれまでの経歴をお話されたのですが、社会人としての経験が図書館でのお仕事にも生かされているようでした。司書になろうとされたきっかけなど、大変楽しくお聞きしました。

豊中市立図書館を皮切りに、滋賀県の数々の図書館で経験を積まれ、瀬戸内市民図書館の整備準備室に入られたのは皆さんもよくご存じだと思います。滋賀県での図書館づくり、地域住民とのかかわりを多くの時間を割いてお話されました。

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図書館整備では「お金がない」という話がよく聞かれます。嶋田さんは一般会計の1%が図書館費に使われているとその自治体は図書館振興に力を入れているのだとおっしゃいました。本当にお金がないのか、図書館に関心がないのか…。全体の予算規模にも依るとは思いますが、神戸では程遠い数字です。私たち市民から見ると、神戸市は図書館に対してある程度の理解は示していただいていると思っているので、一度しっかりと考えてみる必要がありそうです。

移動図書館からそのキャリアを始められた嶋田さん。瀬戸内市民図書館でも図書館サービスは「せとうちまーる号」から始まりました。(講演前、偶然神戸市の自動車図書館「みどり号」の出発に出会いました。すかざず写真を撮られた嶋田さん。思いの強さを感じました)
時間当たりの貸出数を考えると移動図書館は非効率です。しかし、一冊の本との出会いを考えると、そこには貸出冊数だけでは計れない図書館の価値があるとおっしゃいます。直接利用者のもとに本を届けることで、その人自身が心を開放するきっかけを作る――子どもたち、高齢者の皆さんのエピソードを紹介しながら、図書館が持つ力を教えてくださいました。

ある問題を共通して持っている人々が集まって話し合い、そこに行政も参加して議論する場を提供する図書館。この学びからコミュニティの学び(共有知)にできる図書館。それが地域づくりに役立つ図書館であるという構えを発見したのだとお話されました。
その前提に、この地域で暮らしていくうえで必要なことを考えて行動する人々がいること、その人たちが物事を考えるために図書館に来るのだということを意識しておられるのが素晴らしいと思います。

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瀬戸内市民図書館のコンセプトは
「もちより・みつけ・わけあう広場」=「も・み・わ・広場」です。
市民の主体性を高め、市民自らが知的欲求に気づく場をつくり、市民の学びを支えるのが図書館の役割だとお話しくださいました。
まず市民がそこにいて、その市民が自ら行動することを支援する。そのきっかけや場を図書館が提供するということでしょう。

その第一歩が「としょかん未来ミーティング」名付けられたワークショップだったのです。ワークショップでのエピソードからは、自分たちがこの図書館をつくっていくのだという意気込みを感じました。固定メンバーではなくフルオープンで行われたことも、開館後も市民に当事者意識を持ってもらうことにつながったようです。
実現しなかった意見が多いにもかかわらず市民からは図書館は自分たちのものだと感じることができたという声が多く上がるそうです。これこそが「私たちの図書館」ということでしょう。

たくさんの具体的なエピソードをここに紹介しきれないのは本当に残念です。今回参加を見送られた皆さんも嶋田さんのお話を聞く機会を持ってみてください。きっとたくさんの発見があると思います。「なぜ本を読むのか」という質問に「自由になるため!」とお答えになった嶋田さん。今後も図書館の理想を追い求めていかれると思います。私たちも私たちの理想を掲げ、当事者意識を持って図書館づくりに関わっていければと思います。

最後に参加者の質問に答える形で神戸へのエールをいただきました。
・神戸には震災を乗り越えた市民のエートスがある。復興のためにさまざまな選択肢が奪われた中で、このエートスが神戸市民を照らす光であり、神戸の未来である。

・行政に意見を届け、政策形成にかかわるためには地域の図書館での活動を粘り強く続ける。たとえとしょかんが歩み寄ってくれなくても声をあげ続けることである。




参加者感想(一部抜粋)
・図書館サービスの提供の先にある「人」をきちんと見ている図書館員さんですね。「犬の写真集」を借りた高齢者の話の中に嶋田氏の温かい資質を垣間見ました。

・「人が図書館に来る」とはどういうことなのかを考えるところから図書館づくりが始まるのですね。

・昔の道具の前で話に花を咲かせていたというエピソードで、神戸の図書館員さんから聞いた戦災資料の展示の前でおじいちゃん同士が話をしていたという話を思い出した。資料を前に人と人が向き合うということ。

・本の分類・保存、補修方法なども聞きたかった。

・図書館がもっと身近に関しました。時間があるときはもっと長い時間図書館にいて、本と対話してみようかと思いました。

・神戸市が新しい図書館をつくろうとしている今タイムリーな演題だと思ったが、一般市民の参加が少なく残念だった。市民の関心の低さなのだろうか。嶋田先生に申し訳ない気持ちでした。

・出会った町の人との心温まるエピソードも大変よかったです。あるおばあさんが「私の生きがいは働くことと、本を読むこと」といった話、「本は読まへん。図書館ができても利用せん!」と言っていたおじいちゃんが「図書館にはこんな本もあるんか…」と図書館を好きになってくれた話など。

・「住民参加の図書館」とは本が借りやすい図書館ではなくて「市民、住民が当事者意識を持って主体的にかかわることができる図書館であると改めて考えました。

・心にささる言葉がたくさんあり、少しでも実施していければと思っております。

・瀬戸内市民図書館にはぜひ行ってみたいと思いました。


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